SEEDS

事業紹介

Challenge to paradigm shift
for personalized medicine

腫瘍溶解性ウイルス

CVOB

腫瘍溶解性ウイルス療法とは、ある種のウイルスに元々備わっている殺細胞効果を利用した、がん遺伝子治療の一つです。本邦では、デリタクト(一般名:テセルパツレブ)が神経膠腫に対する唯一のがん遺伝子治療薬として承認を受けています。

我々は、約40種類のエンテロウイルス*のスクリーニングを行った結果、コクサッキーウイルスB群3型(CVB3)をはじめとする種々のウイルスが広範なヒトがん細胞に対して強い殺細胞効果を示すことを明らかにしました(Miyamoto et al. Can Res, 2012)。

その後、ヒト臨床応用に向けて正常組織に特異的に発現するmicro RNAに相補的な配列をウイルスゲノムに挿入した遺伝子改変CVB3の作製に成功しました(PCT/JP2014/060988, PCT/JP2018/015986)。

マウスを用いた動物実験において、このウイルスは本来の殺細胞効果を保持しつつも、ウイルス感染による副作用の発現を顕著に抑え安全性が飛躍的に向上することを確認し、遺伝子改変CVB3が新たながん遺伝子治療薬となることが期待されます。

また、臨床試験を開始するにあたりウイルスの製造工程を確立する必要がありますが、現在はGMP対応機器を購入しウイルス製造開発に着手しています。